2022年8月11日12時4分 
コミュニティ活動

2022.06.28 [JDMC] 農業・農政のデジタル変革(農業DX)

2022年度データマネジメント大賞受賞の特別講演レポート

毎年、データマネジメントにおいて、他の模範となる活動を実践している企業・機関などから優秀な活動を選定し表彰するJDMC(日本データマネジメント・コンソーシアム)ですが、2022年のデータマネジメント大賞を受賞したのは、農業・農政のデジタル改革(農業DX)に取り組む農林水産省でした。

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2022年5月18日開催のJDMC年次総会・特別講演では、同省の取り組みの背景にある現場の思いや舞台裏を、同省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官 信夫隆生氏が語りました。

農林水産省が農業のデジタルトランスフォーメーションに向けた取り組みを本格的に開始したのは2020年ごろ。今回の受賞理由となった「農林水産省共通申請サービス」(eMAFF)を中心とした取り組みは、農林水産省全体で進められています。

信夫氏は、農業を強い産業にすることで、能力のある担い手や、生産基盤である農地を維持し、生産資源を確保しておくことが、いざというときの食料安全保障においても非常に重要だと指摘します。

この農業の成長産業化を進める上で、農林漁業者と行政の間の非効率な書類のやりとりや煩雑な手続きを見直すことが不可欠です。同省では3,000を超える手続きすべてについて、現場からの聞き取りなどにより実態を把握し、詳細な業務フロー図を作成させた上で、添付書類や申請項目の削減などの見直しているといいます。

いちど決めたこと、前例となっていることを「やめる」のが苦手な官公庁にあって、不要な添付書類や申請項目(データ項目)を削減する、というBPR(業務プロセスの改革)は、前向きで評価できるでしょう。

そのうえで、農林漁業者が申請手続きをオンラインで行って、農林水産省や自治体の審査機関もオンラインで審査をし、関係各所とデータ連携します。結果もオンラインで通知をする仕組み「農林水産省共通申請サービス」(eMAFF)の実装を進めています。

信夫氏は、行政手続きは従来、立場が異なる者同士の申請と承認の手続きの場だったのですが、今後「行政手続きのDX」を進めることで、同じ目的の者同士をつなぐコミュニケーション手段に変わっていくとの思いを描いています。

詳細については、次のリンク先で公開されたレポートをご覧ください。

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